木釘のお話。
2009年 10月23日
さてこれは何でしょう?
実はこれは、タンスの引き出し加工に使う木の釘(木釘)です。
卯木(うつぎ)の木から出来ています。
名前の由来は、旧暦の4月(卯月)に咲くことから、うつぎと名づけられたそうです。
材質は非常に強くて粘り気があり、
うつぎの木釘は 昔からよく桐のタンスなどに使われています。
ではなぜこの木釘を使うのでしょうか。。。
木釘は桐材と一緒に伸縮するということと、
表面を鉋で一緒に削ることが出来るという利点があります。
下穴をあけた桐材に このように打ち込んでゆきます。
打ち込まれる音に神経を集中し調整します。
その後 出っ張った部分は、鋸で切り落とします。
すると。。。こんな風に木釘が桐材になじんで見た目もすっきりとします。
最後に鉋で表面を削り、引き出しの調整に入ります。
今製作中なのは、センダン材のチェストです。
大谷家具製作所では、引き出しの材は国産の桐材に
こだわり製作をしています。
桐材は防虫効果があり、
また湿気を防いでくれるというとても優れた材料です。
しかし今では国産桐は希少価値も高く入手はとても大変です。
そしてとても高価な材料となっています。
しかし。。。
それに見合うだけのものがあるからこそ
国産桐にこだわり製作をすることにしています。
引き出しを開けた瞬間。。。
ほのかな桐の香りは
なんとも心地のよいものです。
センダンチェスト完成品はこちらです。
https://www.ohtani-kagu.com/040kyounogohann/045_tansu/post_409.php